おんりー☆らう゛
「奈々っ――?!」
美奈が声をかけたが、振り返ることなく、奈々は行ってしまった。
「行っちまった…」
「あいつ…どんなけ奈々を傷つけりゃぁ気が済むんだ!!!」
裕毅と龍雅の言葉のあと、聖がついに声を張り上げる。
「おい!さっきから聞いてりゃぁ…お前らなんか知ってんだろ?!教えろよ!奈々になにがあったんだ!!!」
真美と龍雅は、黙って顔を見合わせた。
少ししてから、美奈が少し息をついてから話し出した。
「…奈々ね。中学の時、慚って奴に無理矢理付き合わされてたの。逆らえば殺す。そう言って…いつも暴力ばっかりで…」
「…なんだと!?」
「慚の奴…中学卒業して、奈々はもう縁切ったのに…慚はまだ奈々のことを下部みてぇに思ってんだ…きっと…」
裕毅も悔しそうに拳を握りしめた。
真美と龍雅が、続きを話す。
「今のメール…慚からだったの。今日会えねぇかって…書いてあった」
「ぜってぇあいつ…奈々に会って…奈々をボコりやがるよ…!!!」
「ッッ…なんで奈々は逃げねぇんだよ!!!」
聖の言葉に、美奈が首を振る。
「あの子も怖いのよ。行かなかったら…殺されるかもしれないんだから…。それにあの子…優しい子だから、絶対周りの人を巻き込まないって…いつもあたし達に言わないで1人で行ってたの…そして…」
言葉をつまらせた美奈のあとから、声を震わせながら、真美が続いた。
「…体中ボロボロで…血だらけで帰ってくるの…」
それを聞いた聖を、あり得ないほどの怒りが襲った。
奈々が?
奈々がそんなことされてたってか?
なのにあいつは…またそいつのとこに行くだと…?
「そんなんぜってぇ許さねぇ……あいつのとこ行って来る!!!」
「おいッッッ!!!」
裕毅が叫んだが、聖は耳に入らなかった。
奈々を探して、教室を飛び出した。