おんりー☆らう゛
「ご…ごめんね聖…あ…えと…じゃー先帰る!!!ごめん!」
「――っおい!!!奈々!!!待てよ!」
奈々は走って行ってしまう。
龍雅が声をあげる。
「やべーんじゃねーの!?絶対なんかされるよ!!!」
「んなことさせっかよ…」
聖が奈々が去ったあとを睨み付ける。
「皆で追うぞ!」
「―――待て。」
走りだそうとした裕毅を、聖が手で制す。
「俺1人で行く。」
「は?!何言ってんだ!!!」
「奈々は…俺の大切な女だ。俺が絶対助ける…約束したんだよ!!!…俺が絶対守るって」
ダッ!!!
聖は1人、走りだした。
「池谷くんッッッ!!!」
「あいつ1人なんて無茶だ!!!慚は…族の頭だぞ?!」
「俺らも行こうぜ!裕毅!」
「あたしらも行こ!!!」
「うん!!!」
頷き合う美奈と真美に、裕毅が釘を指す。
「いや…お前と真美は来るな。」
「?!なんでよ!」
「お前だってあいつがどんな奴か知ってんだろ!!!…危ねぇから…」
「そんなの関係ないッッッ!あたしらの親友が危ない目にあってんのに…ほっとけるわけないでしょ!!!」
「そうだよ!!!私達も行く!!!」
美奈と真美は、真剣な顔で裕毅に訴えた。
でも、2人の言う通りだ。
元に裕毅と龍雅だって、そう思っていたのだから。
「…わかったよ。じゃー二手に分かれよう。俺と美奈で行く。…見つけたら連絡しろよ。」
「ああ。行くぞ真美!」
「うん!」
4人もそれぞれ、走りだした。