おんりー☆らう゛
「…落ち着いた?」
「…うん。」
「じゃあ…呼んでくるね?」
奈々と美奈が立ち上がり、ドアの方へ向かう。
そこで真美に名前を呼ばれ、振り返る。
「…ありがとう。」
あたしと美奈は微笑んで、「頑張れ」と言って、部屋を出た。
―――ガチャ
リビングでは、まだゲームに熱中している3人。
そこで美奈が龍雅に声をかける。
「龍雅」
「ん?なんだ?っああー!!負けたー!!」
「ちょっと真美が呼んでるから、奈々の部屋行ってくれる?」
「…へ?真美が?」
龍雅は、不思議そうな顔をしながら、部屋に入って行った。
「…美奈!あたしたちもゲームしよっか!」
「そーだね!聖!裕毅!交代!」
2人で空元気を出して、テレビの前に座る。
ほんとはゲームどころじゃないんだけど…
「「……」」
聖と裕毅は、黙って2人を見つめた。
「…なに?どーしたの?」
「どーしたの?じゃねーよ。丸聞こえ。」
聖の言葉に、美奈と顔を合わせて青ざめる。
聖たちに聞こえてたってことは……龍雅にも…
「…あいつなら大丈夫だぜ?」
裕毅が優しく笑いながら、立ち上がって美奈の頭に手を乗せる。
「大丈夫って…何が大丈夫なの?」
「…あいつ、全部知ってるから。」
「「えっ…!?」」
聖と裕毅から話を聞いて、安心もしたせいか、また涙が出てくる奈々と美奈。
そんな2人を、聖と裕毅はなだめながら抱き締めてやっていた。