おんりー☆らう゛
入学式が終わり、教室に戻る。
入学式の最中も、池谷 聖の姿はなかった。
入学生なのに、入学式にも出ないなんて…
なにやってんだろ、あの人。
♪キ━ン コ━ン カ━ン コ━ン♪
「皆席につけー!」
先生が入ってきて、授業が始まる。
入学した初日から授業があるのも意味わかんないけど。
そんなことよりあいつ…戻ってきてないな…
結局彼は、4時間目まで帰ってこなかった。
「どこにいるんだろ…」
奈々がお弁当を食べながら、ボソッと呟く。
「誰が???」
「池谷聖。」
真美の質問に答えた奈々に対して、龍雅がぶっ…とご飯を吐き出しそうになる。
袖で口元を拭きながら、龍雅は奈々を見る。
「お前何いってんの?!あいつがいなくて平和でいいじゃん!」
「平和って…」
なにそれ。
あいつが平和を乱す悪者みたいに…
「あんなのに構ってたら、奈々危ないよ?」
龍雅も真美も、彼を否定する。
クラスの皆もだ。
奈々は納得がいかなかった。
「でも…なんかほっとけない!!!」
ガタッ―
奈々が席から立ち上がって、走って教室を出る。
「―ッおい!!!奈々?!」
確かに暴力奮って最悪な奴だと思ったけど…なんかほっとけないよ!!
そう思いながら奈々は、彼の姿を探した…