おんりー☆らう゛



入学式が終わり、教室に戻る。


入学式の最中も、池谷 聖の姿はなかった。



入学生なのに、入学式にも出ないなんて…

なにやってんだろ、あの人。





♪キ━ン コ━ン カ━ン コ━ン♪





「皆席につけー!」




先生が入ってきて、授業が始まる。


入学した初日から授業があるのも意味わかんないけど。


そんなことよりあいつ…戻ってきてないな…





結局彼は、4時間目まで帰ってこなかった。





「どこにいるんだろ…」



奈々がお弁当を食べながら、ボソッと呟く。




「誰が???」

「池谷聖。」




真美の質問に答えた奈々に対して、龍雅がぶっ…とご飯を吐き出しそうになる。

袖で口元を拭きながら、龍雅は奈々を見る。




「お前何いってんの?!あいつがいなくて平和でいいじゃん!」


「平和って…」




なにそれ。

あいつが平和を乱す悪者みたいに…





「あんなのに構ってたら、奈々危ないよ?」




龍雅も真美も、彼を否定する。

クラスの皆もだ。


奈々は納得がいかなかった。





「でも…なんかほっとけない!!!」




ガタッ―


奈々が席から立ち上がって、走って教室を出る。




「―ッおい!!!奈々?!」





確かに暴力奮って最悪な奴だと思ったけど…なんかほっとけないよ!!


そう思いながら奈々は、彼の姿を探した…


< 8 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop