おんりー☆らう゛
慚が降りた次の駅で、4人も降りる。
「着いたよ。」
「やったぁー♪早く行こっ!」
「待ってよ奈々ー!(笑)」
奈々が美奈の手を掴んで走っていく。
さっきとは別人のように明るく振る舞う奈々を見ながら、聖は心配そうに呟いた。
「…あいつ、大丈夫かよ…」
「さぁな…。でもあいつに出会って大丈夫なわけねぇだろ」
「ああ…」
「お前…ちゃんと奈々を守れよ」
「は?んなこたぁわーってるよ。」
「ならいーんだけど。」
「………」
裕毅と話しながら、聖は奈々を見つめていた。
美奈は、奈々と歩きながら、奈々の顔を覗き込む。
「奈々…無理してない?」
「えっ…?」
「絶対無理してるでしょ。本当の笑顔になってないよ?」
「……美奈には叶わないね」
そう言って、苦笑いを浮かべる奈々。
「当り前でしょ?何年一緒にいると思ってんの?なんでもお見通し!」
「そっか(笑)」
美奈の言葉に、ちょっと嬉しそうに笑う奈々。
それを見て、美奈もフッ…と笑う。
「無理しなくて…いいんじゃない?」
「うーうん…。あたしいつも聖に心配かけてるから…。心配かけたくないの…。それに…今日はせっかく旅行に来たんだしw楽しまなきゃ♪…あ!聖ーww」
離れたところにいた聖の元に、奈々が走っていく。
「あ…ちょっ…奈々ー…!!」
聖のほうに走っていく奈々を見つめながら、美奈はふぅ…っと肩を落とした。
「どーした?」
裕毅が美奈の頭をポン…と叩く。
「裕毅…」
「奈々のことか?」
「うん…奈々…最近無理しすぎだよ…。もっと素直に皆に甘えたらいいのに…」
「まぁ…そーだよな。あいつは昔っから1人で抱え込みすぎだ…」
「でしょ…?」
「どーしたもんかねぇ…。」
聖にぴったりくっついて笑っている奈々を見ながら、長年の親友は、肩を落としていた。