おんりー☆らう゛



慚が降りた次の駅で、4人も降りる。




「着いたよ。」

「やったぁー♪早く行こっ!」

「待ってよ奈々ー!(笑)」




奈々が美奈の手を掴んで走っていく。


さっきとは別人のように明るく振る舞う奈々を見ながら、聖は心配そうに呟いた。





「…あいつ、大丈夫かよ…」

「さぁな…。でもあいつに出会って大丈夫なわけねぇだろ」

「ああ…」

「お前…ちゃんと奈々を守れよ」

「は?んなこたぁわーってるよ。」

「ならいーんだけど。」

「………」




裕毅と話しながら、聖は奈々を見つめていた。



美奈は、奈々と歩きながら、奈々の顔を覗き込む。





「奈々…無理してない?」

「えっ…?」

「絶対無理してるでしょ。本当の笑顔になってないよ?」

「……美奈には叶わないね」




そう言って、苦笑いを浮かべる奈々。




「当り前でしょ?何年一緒にいると思ってんの?なんでもお見通し!」

「そっか(笑)」




美奈の言葉に、ちょっと嬉しそうに笑う奈々。

それを見て、美奈もフッ…と笑う。





「無理しなくて…いいんじゃない?」

「うーうん…。あたしいつも聖に心配かけてるから…。心配かけたくないの…。それに…今日はせっかく旅行に来たんだしw楽しまなきゃ♪…あ!聖ーww」




離れたところにいた聖の元に、奈々が走っていく。




「あ…ちょっ…奈々ー…!!」




聖のほうに走っていく奈々を見つめながら、美奈はふぅ…っと肩を落とした。




「どーした?」




裕毅が美奈の頭をポン…と叩く。




「裕毅…」

「奈々のことか?」

「うん…奈々…最近無理しすぎだよ…。もっと素直に皆に甘えたらいいのに…」

「まぁ…そーだよな。あいつは昔っから1人で抱え込みすぎだ…」

「でしょ…?」

「どーしたもんかねぇ…。」





聖にぴったりくっついて笑っている奈々を見ながら、長年の親友は、肩を落としていた。
< 90 / 206 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop