おんりー☆らう゛
「…買ってきました…」
走ってきて、少し息を切らせている奈々に、不敵に笑いながら近寄る慚。
「さーんきゅ…」
そう言って、奈々の首筋にキスをした。
わざとキスマークをつけたのだ。
「なっ…!なにするの!?やめてっ!!」
ドンッ!!!
奈々は和也を突き飛ばす。
「…ってぇなぁ」
慚が奈々をギロッと睨む。
奈々はその場を走って逃げた。
「待てオラァ!!!」
慚は一瞬、追おうとしたが、足を止めた。
「ま…これから絶望に落ちんだし…いっか。…くっ(笑)」
慚は自分が仕組んだ展開を予想して、満足そうに笑いながら自分のホテルへと戻っていった。
一方で、電話が切れた後、聖は黙って携帯を見つめている。
「………」
ガンッッ!!!
そして聖は携帯を地面に投げつけた。
「慚は…なんて?」
美奈の問いかけに、聖は小さく声を出す。
「今…奈々とヤったって…」
「はぁ!?んなことするはずねぇだろ!!!」
裕毅が叫ぶが、聖は顔色を変えない。
「…寂しそうだったから抱いてやったって…」
「まさか…和也を信じてるの?!」
「わかんねぇ…わかんねぇよッッ!!」
美奈が聖の体を揺するが、聖は頭を抱えて地面にしゃがみ込む。
「なんで奈々を信じてやんねぇんだ!!!」
「んなこと言ったって…」
「はぁっ…はぁっ…」
そこへ走って奈々が戻ってきた。