おんりー☆らう゛
「………」
「聖…よせ…」
なにも言えない奈々を見て、裕毅が声をかけるが、聖はそれを無視して続ける。
「嘘ばっかついて…まさか…あいつのことかばったりしてねぇよな…?」
「そ…そんなこと絶対しないよ!!!」
…その時、聖の目には奈々の首筋に、慚につけられたキスマークが見えた。
「…なんだよ…これ…」
「こ…これは…違うの!!!」
「まさか…マジであいつとヤったのかよ…」
「聖!!!」
聖の言葉に、裕毅が黙っていられずに力強く叫んだ。
奈々は、聖の言葉に絶句し、目を見開いた。
そして、声を震わせながら、聖の目を見る。
「なに言ってんの…?あたしが慚とヤるわけないじゃん!!!」
「…どーだかな」
「!!!!!」
「…お前嘘ばっかつくし…」
そう言って、奈々から目をそらす聖。
美奈も黙っていられず、聖に叫ぶ。
「聖!」
「違うの!ほんとに違うの!信じて!お願い!!!」
「じゃぁこれはなんなんだよッッ!!!」
聖がもう一度、奈々の首筋を見る。
勝手につけられたとはいえ、まぎれもなく、慚がつけたものだ。
「だからこれは…」
「…もういい。言い訳なんか聞きたくねぇ…」
「…聖…?」
「…別れよ」
「――――――ッッ」
突然の思いがけない言葉に、奈々が泣き出す。
裕毅と美奈も、絶句して聖を見ている。
「なんで…なんで信じてくれないのよぉ…」
奈々は、嗚咽まじりでそう言って、部屋から走り去った。