ちっぽけな世界の片隅で。
宇宙の海。月の裏側。外国の海底の、さらに奥底。世界の果ての、果て。地平線の、彼方。
全部が、たいくつ。たいくつ。いいなぁ、おいしそうだねぇ、たのしそうだねぇ。
予測変換みたいに、行き先がわかってしまう毎日。
そんな日々 が見えなくなるほど、ずうっと、ずうっと、遠くまで。
曲のあとには、お悩みコーナーがはじまる。
中高生が、レンアイや受験や、家族のこと。いろんなジャンルの相談を、投稿するのだ。
このときくらいから、心地よい眠気が、わたしを迎えに来はじめる。
今日は塾があって疲れたせいか、目の奥が重たくなってくるのが早かった。
眠気は、わたげ。やわらかく、あたたかく、わたしの意識をとばして。
「お次はですね、中学二年生男子!!え~・・・ジュウエンムイチさんからの、お悩みです」
ぼんやりした意識のなかで、思った。
ジュウエンムイチ。
なにそれ。センスないネーミングだなぁ。ビンボーそう。
そう、思って。
次の瞬間、わたしは思わず、跳ね起きていた。