ダサい恋人


「入れよ。」


「お、お邪魔します……」


部屋の中はすっごい綺麗で勝美らしい部屋だった。


テーブルの上に見慣れたものがあった。


「あ、カツラとメガネ。」

「俺から見てもこのダサい髪は無いよな。」


「あたしなんか女なのに、寝癖のまま行ったんだからね。」


「でも、スゴかった。あれはスゴかった。」


「何それ、それって褒めてんの?」


アハハハハッ――………


他愛ない会話で笑いあえる勝美……。


あたしは悟った。



あたし……


勝美が好き。




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