ダサい恋人
「あたしも……無理矢理出て行ってごめんなさい。」
潤んだ目で謝られる……。
……なんか、もう無理かも。
てか、不可能。
俺は千歳の手首を掴み
「うわっ」
ムギュッ……。
「か、かつみ!!」
千歳が裏返った声で俺の名前を呼ぶのも無理はない。
俺は無意識に千歳を抱き締めてしまった。
「勝美……苦しいよ……」
って言われてるけど、俺は離さない。
てか、離せない。
こんな…好きな人が目の前にいて、しかも俺しか知らないはずなのに、皆にばれてしまった事で
俺は焦るしかないだろ。
俺のダサい恋を本人に打ち明けてしまった。
「ごめん、好き。」