ダサい恋人
ダメだって分かってる。
さっきの男子に質問三昧だった時だって、俺が嫉妬する立場じゃない。
「お前が……三島が好きなのはわかってる…。」
認めたくないけれど、それが本当で、一番知りたくない事実。
「………は?」
「でも、抑えられなくて、我慢出来なくて…。さっきメガネ掛けてなかったからかなり焦って……俺しか知らない千歳が他の奴等に見られるのが嫌で……。」
「……勝美、待って」
待って、なんて無理に決まってる。
こんな状況で待ってられる程、俺はそんな我慢する人間じゃない。
「俺はこれ以上何も言わない。三島が好きなんだろ?」
「勝美……?」
「頑張れよ。俺は応援してるから。」
そっ、と抱きしめた腕の力を弱めて離した。
だけど、離れた瞬間に千歳が俺の腕を掴んだ。
「勝美!!何いってんの?あたし、三島なんか好きじゃないよ!!」
は??
何言ってんの??