ダサい恋人
ガラッ
突然、ドアが開いて、俺と千歳が一気に固まる。
「あれ?誰かいるの?……あ、三野君?」
保健室から先生が戻ってきた。
やべぇ…あとちょっと先生が早く来てたら…とんでもない事になってた。
「すみません。秘事間さんが熱出しちゃって。」
「秘事間さん?………この子秘事間さんなの?」
首を傾げて千歳の顔を覗く。
まぁ……いつもメガネだからな。
わかりっこないよな。
「……先生……秘事間千歳です……」
千歳がそう呟くと
「あら、すごい変わったわねぇ。可愛らしいわ。……じゃなくて、秘事間さん。今日は早退ね。」
「…………はい。」
「ご家族はいる?」
「多分……あ、にが……」
「お兄さんね。今電話してくるから待ってて」
先生が再び教室から出ていって、また2人きり