ダサい恋人
一気に熱なんて考えられなくなった。
何するか分からないや…この人。
「み、見た……?」
「あぁ、見た。」
はぁ………どこかに穴があったら今すぐ入りたい……。
「まぁ何もしてないから安心しろ。」
何もしてないって……当たり前でしょ!
「まぁいいや。粥食わせたる。」
まぁいいやって……!
なんかそう考えたら、頭痛くなってきたわ…。
泣くのはまた熱が治ってからにしよう。
「はぁ……まぁいいや。いただきます。」
あたしはお粥を勝美から貰おうとしたんだけど……
「食わせてやるって。」
にっと笑う勝美にあたしは黙って見惚れるしかなかった。
勝美はお粥をスプーンですくって
「はい、千歳……」
「………ん…」
ぱく、と口の中に入れると暖かい味が広がる。