ダサい恋人


お粥を味わって食べるあたしを勝美が心配そうに見つめる。



「………ちゃんと粥になってる?」



「うん。美味しいです。」

あたしが笑うと、「良かった。」と言って抱き締められてしまった。


……

「勝美……動けない……。」

押し返そうとしてもダルさで力が入らない…。

むしろギュッと抱き締める力が入ったような…。



「千歳……好き。」


あたしの肩にうずくまって言う勝美に
あたしは胸の底がきゅーんと縛られたような感覚になった。


か、かわいい……。


「勝―…」

「俺の彼女になって?」



………

いま、なんて言った??

彼女になってって言った!?

え!?

か、かのじょ……!?



「俺と、付き合って。」


真剣な眼差しで見つめられる。



あたし……好きだけど……


「あ…………たし…彼女になって良いのかな?」


あたしなんかが彼女だなんて……




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