ダサい恋人
「あたしのせいなのに…。」
「お前じゃねぇよ。」
気にすんな って言われるけど気にしちゃうよ…。
「まぁ、兄貴からもバイトなんかしなくていいって言われてるから。」
「そうなの?」
「あぁ、いつかホストになって俺を幸せにしてくれって言われた。」
「将来ホストになるの?」
「んなわけねぇよ。無理だろ。」
そっか、ちょっと安心。
お母さんになったみたい…。
「……千歳、着いたぞ。」
あたし達の目の前に校舎が見えた。
「……うん。」
なんか…怖いな…。
大丈夫かな……?
「心配すんな。俺が守るから。」
隣で勝美が微笑んで手を繋いでくれた。
「じゃ、行くか。」
あたし達は一歩を踏み出した。