ダサい恋人
「はぁ!?」
かなり小さい声で言ったのだが、皆さんかなりの地獄耳でいたらしく
あたしの話を聞き逃さなかったらしい。
「……ホントに?」
立花南が息を飲んであたしの返事を待つ……みんなも。
えっ?これってあたしが言って良いことなの?
だ、駄目でしょっ!
「……だから何?」
あたしがあわあわしている中、一つの声が響いた。
「三野ですけど。何か?」
「………。」
女子も男子も口をあけたまま、勝美を見つめる。
そりゃ…そうだよね。
メガネのダサ男が…こんな人だったんだもんね。
「あ、あの……三野君…。」
顔を赤くしながら、上目遣いで話しかける女子に勝美はギロリと睨む。
でも女子はそんなのお構い無しで、むしろきゃあっと声を上げる始末。
「私達〜今まで悪気は無かったんだけどね。色々悪口言ってごめんねぇ。」
癖のついた喋り方で謝る女子を見て、勝美はかなりご立腹のよう……。