ダサい恋人



「でも、……あたしは三野勝美に出会って変わったんだよね。」


「そして、今に至るってわけね。」


と冷静に結果を言った。


静かな空気が屋上に流れる。

でもそれが心地いいと感じる。




「……あたしもね。色々あったんだ。」


と南が口を開いた。


「あたしね。中学から三島と一緒にいてね、ずっと好きなの。周りからはお似合いだって言われてた。
でも三島はいつも笑顔で否定した。アイツ……鈍感だから。」



アイツなんて人の呼び方、この人が使うとは思わなかった。



「あたしはね。前はかなりはしゃいでて、女の子みたいな柄じゃ無かったんだよ。
だからかな?三島があたしの気持ちに気付かなかったのは。だから高校に入ってからはずっと女の子らしくなったんだ。」


南の事実……。


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