ダサい恋人
南は女の子の中の女の子で誰からにも好かれてて、叶わない恋なんてないなんて思ってなかった。
「あたしは、三島に振り向いてほしいのに…まだ気付いて貰えないの。」
南はすごく切なそうな笑顔を見せた。
それと、涙を浮かべながら。
「みんなより…ずっと見てたのに…みんなよりずっと可愛くなったのに…って考えるあたしって……性格わる…。」
くしゃっと涙を我慢する南の顔はいつもより可愛く思えた。
「みんなよりも……ずっと可愛いのに…三島の馬鹿。」
目の前に泣いている南にあたしは言った。
「あたし……南…可愛いと思う。」
「えっ?」
「可愛くしようと無理してる南より、誰かを思ってる本当の南の方がずっと可愛い。」
何故か心から思った。
「たまにはさ、休憩しても良いんじゃない?」
「………千歳。」