ダサい恋人
「今日さ、南がね……」
「へぇ………。」
さっきから世間話をしている千歳の会話に答えられるはずもなく、俺は曖昧な返事を返す。
「あれ?なんだろう。」
ハンカチを取るためにブレザーのポケットから出てきた手は
ハンカチではなく、一枚の手紙だった。
「こんな物……兄さんのかな?」
なんて言って手紙をみると
「あ、あたし宛てだ。」
なんて自己解決。
「貸して。」
「あっ、あたしのなのにっ!」
俺はその手紙を取り上げた。
やっぱり……
アイツはどれだけ鈍感なのか…。
手紙の宛先は男子。
つまり告白だろう。