ダサい恋人



ガラッ


誰もいない旧図書室に、ドアの開いた音がした。


俺と千歳だけの穴場だったのに…

ば、ばれたか……?



「あ、いた。秘事間さん。」


その声は聞き覚えのある声で、誰だかすぐに分かった。


「三島君。どうしたの?」

そう、三島君だった。


「さっき立花さんが探してたからね。伝えようと思って。」


「そうなの?じゃあすぐ行かないと。」



千歳は弁当箱を片付けて立ち上がった。


「勝美、先行ってるから。あんたサボらないでね。」

と言い残して出ていってしまった。


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