ダサい恋人


「まぁ、そんな経験したら信用できねぇよな。」


「うん。ありがとう」


「でも俺は今一番誰よりも秘事間の事わかると思うよ?」


「え?」


「俺だけでしょ?メガネを取った秘事間を見た奴って」


確かにそうだけど。


「俺もだよ。俺のメガネの裏側見せたの秘事間が初めてだよ?」


そうなんだ。


あたしが初めてなんだ。


「だからさ」


三野があたしの手を握った。


「俺と秘事間。友達にならない?」



「えっ?」


友達……?



「あたしと三野が?」


「あぁ。あたしと三野が。」



久々に聞いた友達という単語。


なぜか無性に嬉しくてこう言ってしまった。


「うん。よろしくね。」


って。



そしたら満面の笑みで三野が言った。


「じゃあ俺の事は勝美って呼んで。よろしくな千歳」



「うんっ」




高校に入ってから、初めて友達ができました。



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