ダサい恋人
ガラッ…
「キャーーッ!」
あたしは突然の悲鳴に耳を塞ぐ。
う、うるさい…。
そんな声上げられたら入る人も入りにくいって…
ドアの前の悲鳴をあげられた人に目を向ける。
でも、女子の群れでよく見えない。
でも、その群れを避けて、伸ばした手だけが見えた。
「………とせっ!……千歳!」
「えっ……あたし……?」
あたしを呼んだ声はあの女子の群れから聞こえる。
「千歳…!お前……この手引っ張れ!」
あたしはまさかと思い、一つの手を引っ張った。