ダサい恋人



「大丈夫だったか?」


「あ、佐伯。さっきはありがとう。」



メガネを掛け直す佐伯に千歳が話しかける。


……さっき喋るなと言ったのに。


でもしょうがねぇ。今回は千歳を助けてもらったんだ。

礼はしねぇといけねぇ。



「じゃあね。佐伯。勝美、行こ。」


「あぁ。」


千歳に腕を掴まれて早足になったが、俺は見逃さなかった。


――佐伯が俺を睨んでいた事。



アイツは何なんだ…?


読めねぇ……。



同じメガネ一族だけど、何か違うんじゃねぇか?



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