ダサい恋人
「化粧したげる。おいで。」
俺は、人気のない階段に連れていって千歳にメイクをしてあげた。
すべてを飾り付けた瞬間…俺は笑ってしまった。
「……ホントに期待を裏切らない奴。」
スゴいと思う。
鏡を出して、「ほらっ」と千歳の顔を映した。
「すごい……」
「だろ?」
「すごいよ勝美!あんた、メイクも出来るんだ!すごいよ!尊敬します!リスペクト!」
…いや、嬉しいけど、感動するところ違うよ千歳さん。
千歳はますます可愛く…いや、綺麗になっている。
白い肌とピンクの頬はちょうど良い具合にリンクしている。
目元はぱっちりしている。
それだけでなく、睫毛が長くて、マスカラを付けようか、一瞬ためらった。
そしてピンクの柔らかい唇。
多分…最上級の唇だ。
あぁ…キスしてぇ…