ダサい恋人
「さ、行きますか。」
俺がメガネとカツラを外して立ち上がった。
そしたら千歳は目を見開いた。
「どうした…?」
ギュッとシャツを握られて俺を見つめる千歳。
はぁ…可愛い…。
「…勝美はメガネ外さないで。」
なんで……?
なぜ俺はダメ?
ギュッと力を入れる。
「勝美はカッコいいから。みんなが見る…。」
「は?」
「……あたし…釣り合わないから…みんな…可愛いから……逆ナン…絶対ある。」
違うと思う…
お前…可愛いから、俺がナンパされねぇか心配になるんだけど…
「その必要はない。」
その心配は絶対いらない。
「どうして…?」
「俺が守ってあげるから。」
と言って千歳に口付けをした。
多分…お前が可愛いから大丈夫と言ってもこいつは理解しないと思う。
理解力がない奴だ…。