ダサい恋人
よく分からないけれど、これは嫌がらせの始めか??
みんなの視線がこっちに向く。
「何?」
あたしは顔を本に向けながら耳を傾ける。
「秘事間さんさ、スカート短くしたいとか思わないの?」
はぁ? なにこの子?
そんなくだらない事を言いに来たわけ?
「別に」
てか スカート短くしてまで男に足を見せたいと思う方があたしは聞きたい。
「メイクとかは?」
「興味ない」
「じゃあ――…
「あのさ、さっきから何が言いたいの?ダサいって?フッ……そんなの知らないよ。」
あたしはそう言って授業の教材をもって教室をでた。
後ろから聞こえるぐらいにあたしに文句の嵐が教室に広がる
「なにあれ!せっかく南が話しかけてあげたって言うのにさ!生意気!」
「あの子絶対南の事ひがんでるよ!!羨ましいだけだよ!!」
なんて……
羨ましいの? 立花南が?
馬鹿馬鹿しくて笑っちゃう。
なんでひがむのよ。意味わかんない。
あたしはこのダサい千歳の方が断然好き。