ダサい恋人



「あ…、いらっしゃい。」


生徒会室は誰もいなくて、端の机に南がいるだけだった。



南はあたしを見て、一瞬驚いていたが、すぐに笑顔になって迎えてくれた。



「こっちにおいで。」


南が手招きをする。


あたしは素直に行って南の隣の机に座った。



コト、



「どうぞ。」


三島があたしの目の前にお茶を置いてくれた。



この2人はとても優しい。

温もりを感じて心が安まる…。



「我慢なんかしないでいいんだよ。」


南が微笑みながらあたしに顔を向ける。


え…?


どういうこと?


「泣いていいよ…。」


南のこの言葉にあたしの涙が溢れる。


「よく頑張ったね。」


あたしを抱き締める南に、甘えてしまう…。


あたし…涙が枯れること知らないみたい…。



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