ダサい恋人



「――なんであたしに言ってくれなかったの?」



あたしは南にすべてを話した。


小山さんの事。



さっきの勝美の事。


近くに、三島もこっそり聞いている。



「ご、ごめん…。」


あたしは俯いてしまう。


南はそんなあたしにはぁっとため息をつく。


「まぁ、あたしに話してくれたからまだ良かったわ。」


でも、と付け足す。


「三野は絶対に心配してるよ。」


心配……


心配させてるから余計に勝美に言えないんだよ…。



「なぁ……」


あたしと南から少し離れていた三島があたしを見る。


「……何?」


「俺の意見。男の意見でもあるな。」


クスッと笑ってこちらに近づいてくる。



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