ダサい恋人
放課後は、自由行動ができる唯一の解放感がある時間だ。
でも、俺はそんなもの必要ない。
1人でどうするっていうんだ…。
でも、バイトは今日ないので、暇を潰すしかないと思い、旧図書室に行くことにした。
……相変わらず、ほこりっぽい。
千歳と出会った事を思い出す。
最初は心の底から嫌われていたな。
あの警戒の目は、女が嫌いな俺と同じ目だった。
でも、中身は誰よりも繊細で、純粋だった。
あの笑顔を見れるだけで心が安らかになった。