ダサい恋人
千歳・Side
………あれ?
あたし寝てた?
起き上がると、オレンジ色の空に照らされる。
……夏になっていくな…。
あたしは…止まったまま。
はぁ……。
また小山さんに呼び出しをされてしまった…。
「あれ…?」
あたし…小山さんからもらった手紙…持ってたよね?
「どこに行ったんだろう…?」
そこら辺を探したけれど、どこにもない…。
「千歳。」
あたしの名前を声がした。
……勝美っ?
無意識に顔を上げてしまう。
「あっ、佐伯…。」
一瞬期待してしまった自分に後悔をしてしまう。
…佐伯とは、あの告白の時以来、話す機会がなかった。