ダサい恋人
「どうしたの…?」
もう陽が暮れるのに…。
あたしが座っている席の隣に、佐伯尚が座った。
それから、じっと…あたしの顔を見る。
……それからそのまま。
あ、あたし、なんか顔に付いてたかな…?
あたしがおろおろしていたら、佐伯の手が、あたしの頬に触れた。
「………また、泣いたのか?」
また、切なそうな顔をあたしに向ける。
「…あの告白…返事とか聞いていい?」
ぽつりぽつりと話す佐伯…。
「うん…。」
あたしはコクコクと頷いた。
もう……答えは決まっている。