ダサい恋人



「あはは、あんたカツラ被ると本当にダサいね。」


と俺を指さしてケラケラ笑う千歳。


「お前だって一緒だろ。」

今のお前だけには言われたくねぇ。


「まぁ良いんじゃない?メガネ外したらあんたカッコいいし。」


と誉め言葉を投げ掛けるが

「まぁあたしは絶対に好きにならないけどね。」


ほら、最後に一髪とどめを刺す。


俺じゃない男だったら1週間は立ち直れないだろうな。


俺も女には興味ねぇし。



「…………千歳。」


後ろから声がした。


振り返ってみると


イケメン1人。


だ、誰?


「お前、彼氏か?」


「はぁ?馬鹿じゃないの?ただでさえ男のあんたと一緒に暮らしてるも嫌なのに、彼氏なんか作るかっつーの。」



暮らす=同棲。



「はぁ……つくづく可愛くねぇ女。」


「あのね。こんな面倒くさい兄さん持ってる身にもなりなさいよ。」



兄さん。



「兄さん?」


兄さんって千歳の?


< 44 / 444 >

この作品をシェア

pagetop