ダサい恋人
「あはは、あんたカツラ被ると本当にダサいね。」
と俺を指さしてケラケラ笑う千歳。
「お前だって一緒だろ。」
今のお前だけには言われたくねぇ。
「まぁ良いんじゃない?メガネ外したらあんたカッコいいし。」
と誉め言葉を投げ掛けるが
「まぁあたしは絶対に好きにならないけどね。」
ほら、最後に一髪とどめを刺す。
俺じゃない男だったら1週間は立ち直れないだろうな。
俺も女には興味ねぇし。
「…………千歳。」
後ろから声がした。
振り返ってみると
イケメン1人。
だ、誰?
「お前、彼氏か?」
「はぁ?馬鹿じゃないの?ただでさえ男のあんたと一緒に暮らしてるも嫌なのに、彼氏なんか作るかっつーの。」
暮らす=同棲。
「はぁ……つくづく可愛くねぇ女。」
「あのね。こんな面倒くさい兄さん持ってる身にもなりなさいよ。」
兄さん。
「兄さん?」
兄さんって千歳の?