ダサい恋人



電車で帰って、千歳を負ぶってマンションに着いた。


無事に帰れた…。


「かちゅぅ、ちゅー!」



部屋でソファーに座って隣の俺にキスをねだる。



俺は素直に千歳の唇に触れた。


「………んっ?…これだけぇ?…」


千歳が潤んだ目で俺に訴えてくる。


多分、俺がすぐに唇を離したからこの事を言っているのだろう。



こいつ、酔うとキス魔になるんだな。


でも今回は千歳の都合には流されない。


このままだと、絶対に千歳を襲ってしまう…。



「今日はこれだけ。我慢して。」


そう言って千歳の頭を優しく撫でるけれど


千歳は俯いたまま。



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