ダサい恋人

まぁ仕方ない。


これがあたしなんだから。

「でも、ダサ子だったらその髪。超最高。」


「ほんと!?」


「みんなどん引きするぞ。」


「マジ!?よしっ!今日の千歳ちゃんはこれで決まりっ」


ガッツポーズをして喜ぶあたしはなんて単純な奴なのだろう……。


これで喜べることもスゴいと思う……。



「おぃ、喜んでないで、さっさと乗れ。」


あっ、そうだった。

自転車で行くんだもんね。

あたしは勝美の後ろに跨った。


「あたし…重いよ?」


「俺だって男だ。女1人支えられねぇなんて情けねぇ。」


「大丈夫だ。」と振り返って微笑む勝美。


そんなダサい格好で言われても説得力ないから。


< 51 / 444 >

この作品をシェア

pagetop