ダサい恋人
まぁ仕方ない。
これがあたしなんだから。
「でも、ダサ子だったらその髪。超最高。」
「ほんと!?」
「みんなどん引きするぞ。」
「マジ!?よしっ!今日の千歳ちゃんはこれで決まりっ」
ガッツポーズをして喜ぶあたしはなんて単純な奴なのだろう……。
これで喜べることもスゴいと思う……。
「おぃ、喜んでないで、さっさと乗れ。」
あっ、そうだった。
自転車で行くんだもんね。
あたしは勝美の後ろに跨った。
「あたし…重いよ?」
「俺だって男だ。女1人支えられねぇなんて情けねぇ。」
「大丈夫だ。」と振り返って微笑む勝美。
そんなダサい格好で言われても説得力ないから。