ダサい恋人
キョロキョロ見渡してもまだ勝美は来ない……
なんの用事だろう……?
「キャーッ!近寄らないで!」
急に教室の角から女子達の悲鳴が出てくる。
人を避けて俯き、黒髪のボサボサ頭……ダサ男の象徴、メガネを掛けた勝美がいた。
「す……すいません。」
見事なヘタレッぷり。
遠くの方にいるあたしを勝美が見つけた。
それと同時にニヤッと笑う。
こ、怖。
あたしだからまだ大丈夫だけど
他の人だったら泣き叫んで助けを求めるだろうな。
あたしの方へ歩み寄ってきた勝美はこういった。
「……よかったな。一緒に来たのがばれなくて。噂がまた広がっちまうからな。」
と小声で言って勝美は自分の席に着いた。