ダサい恋人


あたしは渋々三野の隣の席に座る。



「お前さ、顔なんで隠してるの?」


ま、まぁ…だいたい覚悟していたこの言葉。


「……関係ないでしょ?」


隣の三野とは顔を合わせずに、ずっと余所を向いていた。

「世の中顔から始まるのに。勿体ないな。」


この人……こんなタチの悪い性格だったってわけ。


あたし…人生最大の汚点かもしれない…。

こんな奴にさっさとバレてしまうなんて…


「余計なお世話。話が無いなら早くメガネ返して。」

と三野 勝美に手を伸ばすが、メガネは三野の頭の方に持ち上げられた。


「なんでそんなに焦るんだよ。あっ………お前男嫌い?」


「へっ!?」

思わず声が裏返ってしまった。


「へぇ、嫌いなんだ。」


「か、関係ないでしょ!?」


ニヤリと笑う三野……。


コイツ……ムカつく!!



メガネを返してもらえない時から嫌な奴って思ったけど…。


めちゃくちゃ立ち悪い!!

「いいから返してっ!!」

あたしは立ち上がってメガネを取ろうと背伸びをした。


でも足が崩れて……


「きゃっ」

「うわっ」


ドサッ



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