ダサい恋人
「1人で帰れるか?」
と千歳と同じ高さにしゃがむと
「あたし高校生。」
と言って俺と同じ身長まで背伸びをしてきた。
「ん。そっか。ナンパされんなよ?」
「大丈夫だよ!兄さんの迎えついでに帰るから。」
歩さんか…。
ナンパ男と友達になりそうだ…。
「じゃあ、また明日!」
とにっこり笑って手を振って帰って行った。
ピロピロリン――…
誰だ?
携帯の着メロが鳴った。
「もしもし?」
《もしもし?俺だよ》
「誰の俺?」
《兄貴!》
「あぁ、最近詐欺とか多いから。」
《俺を詐欺氏にするんじゃねぇ…!……っじゃなくて、お前ホラーは?》
「ホラー……?」
あっ…!
忘れてた…!
てか兄貴のチケットで女と見に行ったなんて……
絶対言えねぇ……。
《勝美ちゃん?どういうこと―…》
と電話の向こうから不適な笑みを浮かべる兄貴にこの後散々質問去れたのを
言うまでもない。