ダサい恋人
隣で窓の外の空を見ながら、千歳はこう呟く。
「ダサい……ってさ、色々厄介なことあるけど意外と楽しいよね。」
「あぁ。」
「結構精神的にも強くなるしさ、色々頑張らなくても違う意味でみんなの注目の的になれるもん」
「お前、それ面白くねぇよ。」
はははっと笑っている千歳。
………抱き締めたい。
傍にいるのに、なんでだ?
なんで………俺じゃなく三島?
俺……友達としか見られてねぇの?
「……なぁ、」
「ん?」
「お前……好きな人とか出来たわけ?」
突然の事で千歳も動揺を隠せないみたいだ。
こいつからどんな言葉が出たって
三島が好きだって……言ってきても
逃げられない。
後戻り出来なくなる。
恋の罠にハマった俺。
ダサい恋の始まりだ。