蒼い絆



2人の約束。



“卒業したら結婚すること”



それまでに私は、いくつも乗り越えなければならない夜がある。



昼間は学校で気が紛れるけど、
ひとりの夜は潰れそうなほど
不安の渦に居る。



昨日も風邪だと言ってバイトを休んでしまった。



時々、本当に笑えなくなる。



周りを拒絶する。



そして、また身体を痛めつけたくなる。



引き出しの奥にティッシュで包んだ
ハサミを隠してある。



開けないようにカギを閉めて。



刃先には、拭き取ってもまだうっすら
残る血の跡。



ひとりの夜は、嫌なほどそれが脳裏をかすめる。



私を追い込む。

















< 121 / 340 >

この作品をシェア

pagetop