蒼い絆



『ねぇ…。そのお金…アイツに使われてないよね…?』



背を向けたままの母親に、私は問いかけた。



慌てて振り返り、明らかにおかしな態度で



『だ、大丈夫よ。ちゃんとやりくりしてるから。』



なんて…ヘタクソな演技。



嘘のつけない人…。



急に腹立たしくなってきた。



やっぱり使われてたんだ。



アイツは休みの日になると、パチンコや競馬に出かけている。



負けて帰ってくると私にアタってくるんだ。



小さい頃は、ワケもわからず殴られた日もあったから。



そんなこと、知ってて私のお金アイツに渡してたの…?



本当に…何も出来ない人。



勝手気ままに出た私の言葉。

















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