蒼い絆



震える手を握りしめてくれる。



ただ、こうして体温が伝わるだけで



人はこんなに安心できるもんなんだね…。



『リサ…。俺の気持ち、もう一度ちゃんと聞いてほしいんだ。』



握る手に力が入る。



センパイの気持ちは、
もう充分すぎるほどわかってる…。



いつも言葉にして伝えてくれてたから。



『俺はリサが…』



『もし私が…!』



次の言葉を遮った。



驚いた表情で私を見てる。



『もし私が、センパイと彼氏を重ねて見てても…好きって言ってくれますか?』



センパイの顔が一瞬強張った。



最低な自分……。
















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