蒼い絆
改札まで足を進めると
今まさに切符を買っている
シュウの後ろ姿が目に入った。
柱に隠れる。
最後に最後。
ただあなたを見送りたい。
やっぱり自分の気持ちにウソはなかった。
だってこんなに涙が出るんだよ…。
両手で拭って、柱の影から顔を出す。
シュウは切符を通す気配はなく、
キョロキョロしていた。
やばっ!
シュウがこっちを向く前に顔を引っ込めた。
黙って、見送らせて。
そんな想いは的をはずれ、
いとも簡単に見つかってしまう。