甘恋。


「…嫌われても…やっぱりこれだけは渡したい…。」



ズイッと渡してくるから、思わず受け取った。


これ…何…?


逆チョコ…なの…?


私…に?



「…う…そ…。何で…?」



中身を見ると…私が食べたいって言っていた、お気に入りカフェのバレンタインケーキだった。



「…のぞみが…好きだから。のぞみが僕を嫌い…でも…っ…僕は好き…だから…っ!」



直樹はついに泣き出してしまった。


泣きながら告白する男なんて、初めて見たよ…って心の中で突っ込んだけど…私も、泣いていた。



「…バカ…ッ!」




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