甘恋。
「いいかもしれん。これにしよう。」
酒好きなあの人だ、きっと喜ぶだろう。
俺は迷わず梅酒ボンボンを購入した。
「助かった、本当にありがとう。」
「ううん。…待って、これ…さっき買ったばかりだけど。」
雅が綺麗に包装された小さな箱を差し出してきた。
「…俺に…?」
貰っても良いのだろうか。
躊躇っていると、雅が笑顔で言った。
「いつもお世話になってるから!…三年間、部活でもお世話になったし。感謝の気持ちだから。彼女と仲良くね?」
「俺こそ世話になったのに…すまないな。ありがとう。」