甘恋。
「これを…渡したかったんだ。」
スッと差し出される、綺麗な包装の箱。
「…へ…?……チョコ…?」
デパートで散々見た、それはバレンタインチョコだった。
「あぁ。それを結衣さんに贈りたくてデパートに行ったら偶然雅に会った。選ぶのを手伝ってくれたんだ。」
照れ臭そうな、健ちゃん。
そう…だったんだ。
やだ…私ったら、勘違いで…嫉妬して…大人気ない…!
こんな自分が恥ずかしい…っ!
思わずこたつの布団で顔を隠した。
「結衣さん…?」
「ごめんね…私…っ勘違いして…っ…子供みたいで…っ」