甘恋。
「すごいな…!流石結衣さんだ…!」
ケーキを見るなり、健ちゃんは嬉しそうに笑った。
その顔は、老けてても…中学生の少年だった。
「ねぇ…私に…会いたかった…?」
健ちゃんの服の裾をきゅっと掴んで、じっと健ちゃんを見つめた。
健ちゃんと視線が重なる。
そして…顔が近付いてきて…。
――ちゅ…
唇に、温かな感触。
「…当たり前だ。ずっと会いたかった…結衣。」
……わ……。
うわぁぁぁぁっ!!
今…今、キ…キスした…っ!?
顔が…瞬間的に茹蛸のように熱くなる。