甘恋。


「すごいな…!流石結衣さんだ…!」



ケーキを見るなり、健ちゃんは嬉しそうに笑った。


その顔は、老けてても…中学生の少年だった。



「ねぇ…私に…会いたかった…?」



健ちゃんの服の裾をきゅっと掴んで、じっと健ちゃんを見つめた。


健ちゃんと視線が重なる。


そして…顔が近付いてきて…。



――ちゅ…



唇に、温かな感触。



「…当たり前だ。ずっと会いたかった…結衣。」



……わ……。


うわぁぁぁぁっ!!


今…今、キ…キスした…っ!?


顔が…瞬間的に茹蛸のように熱くなる。



< 41 / 43 >

この作品をシェア

pagetop