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「え、待って待って!どういう経緯でこうなったの?」
五月女が待ったを掛け、言い争う二人を落ち着かせてからソファーに座るよう促す。
彼の機転の利いた行動に、明衣は目だけで「ナイス!」と告げる。
五月女はその合図に少しはにかむと、二人に向き直って改めて尋ねた。
「えっと…風紀委員の君は二年生だよね?軽く自己紹介とかしてもらえるかな?」
すると、男子生徒は申し訳なさそうに、「急に押し掛けるような形となってしまい、申し訳ありません」と深々と頭を下げ、間をあけてから姿勢良く座り直し、自己紹介を始めた。
「僕は風紀委員の日野敦(ひの あつし)と申します。この度は、1年A組の巡暦佳が校則違反も甚だしい服装をしていたため、指導しようとしたところ、彼女が逃走したため追い掛けてきたらここに辿り着き……」
男子生徒――日野は、言のあらましを事細かに話す。
どうやら巡にも非があるようで、明衣はちらりと彼女を一瞥した。