a☆u★c-G2-!



結局、目当ての人物は見付からず、数年アルバムを遡ったりしてみたが、例の美少女の写真は1枚も出てこなかった。

目に見えて消沈している小谷野と峰原を見ると、流石にかわいそうに思え、コーヒーを出してやった。


「大体さぁ、ダンス部の人に聞けばすぐわかるんじゃないの、普通に考えて。だって去年の学祭のパフォーマンスなんでしょ?」

「そういえばそうですよね」


明衣の苛立ちを含んだ言葉に、日野は頷いた。その顔には、なぜ今まで気付かなかったんだろう、とすら書いてありそうだ。


「ダンス部って本番前になったら髪染めるし、化粧だって濃くなるじゃん?だから誰だかわかんないのってそのせいじゃない?」

「えぇっ、じゃあスッピンは超絶ブサイクってことスか?」

「そうは言ってないでしょ。ただ、可能性があるってだけの話よ」


話が飛躍する巡をたしなめ、明衣はコーヒーを一口飲んで、そういえばブラックだった、と顔をしかめた。






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