a☆u★c-G2-!

*美少女の正体*





依頼を請けて数日が経ったが、依然として手掛かりは掴めておらず、焦りと苛立ちが募るばかりであった。

部室では、ゲームのコントローラーを片手に項垂れる巡の姿がほぼ毎日確認されるようになった。


「大体、何でウチらがあんな変態どもの手伝いしなきゃならないんスか」


このセリフも最早何度聞いたか知れない。
そのとき、鬱ゾーンに入りかけたaucの部室の扉を乱暴に開けて、五月女が飛び込んできた。


「これ、放送部から借りたんだけど…」


かなり急いで走ってきたのか、息を乱している。明衣はソファーから起き上がり、そんな彼を見やった。


「去年の学祭の時のビデオ。ダンス部のパフォーマンスも撮ってる筈だから、観てごらんって」

「おぉっ、でかした五月女!」


明衣は飛び起きて、巡からコントローラーを奪うと、DVDプレイヤーを起動させた。

ディスクを滑り込ませ、ドキドキしながら画面を見つめる。

日野はダンス部員を呼びに部室を出ていった。






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