a☆u★c-G2-!
ダンス部のアリスは、写真と逸識を見比べながら、うーんと唸った。
「言われてみれば…面影が。ていうか、睫毛長いのね。パッと見イケメンだとは思ってたけど、こんなに綺麗なんて…」
「ムカつく野郎ッスね。何で女のアタシより美人なんスか」
「俺、褒められてるってことで良いのかな?」
巡の喧嘩腰な言い方に、逸識は苦笑せざるを得ない。明衣は美少女研究部の二人を一瞥すると、蔑むように言った。
「ったく、美少女好きな癖に男女の違いもわかんないなんてね」
「そういう明衣ちゃんだって、最初はわかってなかったじゃん」
ボソリと隣で口を尖らせた五月女に、明衣は肘を打ち込んだ。
逸識はそんな彼らを見て笑うと、写真を手に取った。
「懐かしいな。もうわかってるとは思うが、去年の学祭の時、怪我した部員に代わって出たんだよ。チームからは感謝されたが、本人は悔しかったんじゃねぇかな」
言いながら切なげに目を伏せる逸識に、明衣をはじめその場にいたメンバーは不覚にも見とれてしまった。
(…これは騙されるわけよね)
一人冷静に、鮎川は溜め息を吐いたのだった。